対馬全カタログ
            
 
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【地名の由来】坂の下に発生したから「坂」なのか、洲賀の上に発生したから「さか」なのか。

【名所等】
円通寺:本文参照。

【名物】
佐賀のたいやき:永留菓子店のつくる丸い鯛焼きは九州の名物100選に選ばれている。地方発送も行っているらしい。

佐 賀 【 さ か 】

 
水揚げ風景
最古の鹿笛と幻の丸い鯛焼き。
この村にしかないものがある。
古からの漁業の村
 この村は峰町の東海岸にあり、貝塚から出土した道具が示すように縄文の頃から漁撈をなりわいとしていたようだ。現在も漁港は対馬漁業の中心のひとつであり、桟橋に船は舷(ふなばた)をこするように並び、午前中漁協前は水揚げ、仕分けで賑わう。
 町役場のある三根が農業主体の散村であるのに比べ、佐賀は漁業が中心で密集度が高く、活気もある。この村で全国的に有名になったものに、鯛焼きがある。九州の名物100選に選ばれているが、その店は休みが多いようで、残念ながら今も幻の鯛焼きのままである。

世界最古の鹿笛も出た佐賀貝塚
 佐賀貝塚は、縄文時代中期から後期の対馬人の暮らしを語る貴重な歴史遺産だが、現在は民家の下になっており、その位置を示す標柱のみがある。佐賀貝塚からは、さまざまな狩猟具が見つかっている。鹿や猪の骨を加工した釣針やモリ。黒曜石の鏃(やじり)、石鋸(いしのこ)。その中で特に興味深いのが鹿の角でつくった鹿笛。雄鹿の声をまねて鹿を誘う狩猟具で、世界最古。大陸系から伝わってきた道具とされているが、中国や韓国にも発見例がないという。 
 佐賀浦の入口にある小姓島は、大潮の干潮時には歩いて渡ることができる周囲200mほどの小さな島だが、弥生時代の石棺5基が出土している。   

78年間の島都
 宗家7代目貞茂から3代の間、1408年から78年間、佐賀に島府が置かれた。屋形跡は特定されていないが、円通寺に宗家墓地があり、屋形もその付近であろうと言われている。円通寺の梵鐘は李朝初期のもので、本尊の銅造薬師如来坐像とともに県指定文化財となっている。
 また佐賀は1281年(弘安4年)の元寇、弘安の役の主戦場とするのが定説となっているが、島民も戦い方を覚え、ゲリラ戦で対抗。元軍を苦しめ、前回ほどの被害はなかったようだ。また島主であった宗氏の活躍の記録がないことも前回とは違っている。
イカ釣り漁船
円通寺の梵鐘
和多都美神社